追客ツール
プラグイン「MailPoet」で
ステップメールを送る仕組み作り
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難易度:

”メールを使ったマーケティングは、年々効果が低くなってきている”
そんなことをよく耳にします。
確かにLINE公式アカウントやSNSを使った方法も効果が高まってきており、そちらもぜひ使ってもらいたいと思います。
でもまだまだメールの効果が無い訳でもありません。
特に今回お伝えする「ステップメール」は、リスト登録者や商品購入者をその気にさせるツールとして依然価値は高いです。

前回のコンテンツ「プラグイン「MailPoet」を使用してメールマガジンを送る仕組みを作る方法」でもお伝えしました。
集客が困難な時代になってきた今日では、顧客のリピート購入がビジネスを大きく左右します。
例えば、8,000円の商品があり、広告などの集客コストが1万円だとします。
1回購入でリピート無しでは広告の費用も出せませんよね。
3ヶ月後にリピート購入してもらえる仕組みを作り、平均2回購入してもらえるとすれば16,000円の売上となり、広告費用を上回れます。
内容を改善して、平均3回まで購入してもらえる様になれば、24,000円の売上で広告費用1万円で利益は出るようになるかと思います。

その仕組みで使うツールがステップメールです。
リピート促進は、仕組みや内容が伴わないと効果は高まりませんが、ステップメールのシステムは必須です。
今回お伝えするプラグイン「MailPoet」は、手動で行う部分もありますが、無料で出来る優れもの。
売上がまだまだというショップでは使ってみる価値は高いと思います。
収益が安定して撮れる段階になったら、CRMシステムを導入する。そのつなぎ役として使ってみてはいかがでしょうか?

では、「MailPoet」を使ってステップメールを送る方法の説明をしていきます。

こちらの記事では「MailPoet」のインストール・初期設定(送信設定)が済んでいることを前提に、MailPoetでメルマガを作成する方法をご説明しています。まだできていない方は、まずは下記ページを参照しながらインストール・初期設定(送信設定)を行ってください。

このコンテンツを読んでできること
  • MailPoetのメニュー内容が理解できる
  • MailPoetでステップメールの仕組みが構築できる
  • MailPoetでステップメールを構築する際の注意点がわかる
このコンテンツを書いた人
齋藤秀峰
ネット通販ビジネス
トータルアドバイザー齋藤秀峰SAITO SHUHO

2009年に自社ブランドのネットショップをオープン。2017年にWordPressのWelcartへショップを移転。その経験を元に、多くのネットショップをWelcartにて新規構築。現在もWelcartの運営を行いながら、日々研究を繰り返しています。

ステップメールの配信の流れについて

ステップメールとは購読開始の時期を起点として、スケジュールしておいた複数のメールを順番に配信するメールのことです。
仕組みを構築する前に、まずは配信の流れをしっかりと把握しておきましょう。

ステップメールの配信の流れについて

MailPoetのメニューについて

MailPoetプラグインを有効化すると、WordPress管理画面レフトナビに「MailPoet」のメニューが表示されます。
MailPoetのメニューは全部で10項目あります。全てを使用するわけではありませんが、メルマガを作成する前に「そのメニューで何を行うのか」ということを理解しておくと、今後のメール作成がスムーズに行えます。
まずは、メニューの内容をしっかりと把握しておきしょう。

MailPoetプラグインのメニュー

①ホーム
MailPoetのダッシュボードを表示します。
②メール

MailPoetで作成できるメールの内、下記の3種類の作成を行います。

  1. ニュースレター(メールマガジン) … 購読を開始した購読者に同じ内容のメールを一斉に配信します。
    こちらの作成方法について、詳しくは下記ページにてご説明しています。
  2. 投稿通知 … 最新の投稿をお知らせするメールを配信します。
  3. 再エンゲージメントメール … 配信メールに関心のない購読者に向けて、購読継続を確認するメールを配信します。
③自動化
ステップメールの作成を行います。
こちらの記事ではニュースレターを配信するまでの手順をご説明しています。
④フォーム

購読希望者を集めるためにサイトに設置するフォームの作成を行います。また、フォームのメニューから購読者情報に項目を追加するためのカスタムフィールドの作成も可能です。詳しくは「⑥購読者を登録する」でご説明します。

⑤購読者

メール購読に登録されたユーザーを管理します。
手動で購読者を登録する方法と、フォームからの登録で自動登録する方法があります。詳しくは「⑥購読者を登録する」でご説明します。

⑥リスト

メールを配信するためのリストを作成します。ここで作成したリストを元に購読者を振り分けていきます。
詳しくは「③リストを作成する」でご説明します。

⑦セグメント
例えば「配信したメールを○日以内に開いた」「メールを配信したけど未開封」など、メール配信をしたユーザーの行動を基にセグメント分類を行います。
こちらで登録したセグメント別で、メールの配信を行うこともできます。
⑧設定

MailPoetの基本設定を行います。
メール送受信の設定は「②メールアドレスに関する設定」で、表示ページのカスタマイズは「④購読に関するページのカスタマイズ」でご説明します。

⑨ヘルプ

MailPoetのヘルプページ一覧です。

⑩アップグレード
MailPoetアカウントの取得や、プランのアップグレードについての案内が表示されます。

メールアドレスに関する設定

まずは、メールアドレスに関する設定を行います。
ここでは配信したメールに返信された場合の送り先となるReply-to(返信先)アドレスと、配信できずエラーになったメールの送り先となるバウンスメール(配信に失敗したメール)の戻り先を設定していきます。
設定は、MailPoetメニューの「設定」から行います。

メールアドレスに関する設定

設定については下記ページにてご説明しています。下記ボタンよりご覧ください。

リストを作成する

メールアドレスに関する設定が完了したら、ステップメールを配信するためのリストを作成します。
リストの作成は、MailPoetメニューの「リスト」から行います。

リストを作成する

設定については下記ページにてご説明しています。下記ボタンよりご覧ください。


ステップメールのリストを作成する

購読に関するページのカスタマイズ

ステップメールを作成する前に、購読に関するページを確認していきます。
配信するメールから、購読者がリンクをクリックして表示する可能性のあるページが複数あります。基本的には自動生成されているページですが、どんなページがあるのかを把握しておくことと、カスタマイズする方法を知っておくことをおすすめします。

カスタマイズが可能なページは、購読者のマイページとなるサブスクリプション管理ページと、配信を停止したい場合の購読中止ページを行う(購読中止の)承認ページ(購読中止の)成功ページの3つです。

設定については下記ページにてご説明しています。下記ボタンよりご覧ください。

ステップメールを作成する

上記②~④までの設定が完了したら、配信するステップメールを作成していきます。

無料版で作成できるステップメールについて

MailPoetの無料版で作成できるステップメールは、
「どんな時に(トリガー)」→「いつ(ディレイ)」→「どのメールを送るか」
という3つの流れのみとなります。
これ以外のステップを追加したい場合は、有料版にする必要があります。

例えば無料版で下記のような複数のステップメールを作成する場合は、ステップメールを「3つ」作成することになります。

配信するステップメールの例

この場合「どんな時に(トリガー)」の設定を3つとも同じにして、配信する時期(ディレイ)とメールの内容を変えて設定するという流れになります。

上記のことを踏まえつつ、ステップメールの作成について下記よりご説明します。

メールの作成は、MailPoetメニューの「自動化」から始めます。

MailPoet「自動化」メニュー

ステップメールを初めて作成する場合、下記の画面になります。
「テンプレートから始める」ボタンをクリックすると、ステップメールの作成が開始されます。


ステップメール新規画面

1トリガーのテンプレートを選択する

まずは、「どんな時にステップメール配信が始まるか」を、テンプレートから選択します。
下記のように4つの選択が表示されますが、3つ目と4つ目は左上に鍵のアイコンが表示されており、有料プランでしか利用することができません。
選択ができるのは、1つ目の「新しい購読者を歓迎します」または2つ目の「新しいWordPressユーザーを歓迎します」のどちらかになります。


ステップメール作成のトリガー選択

トリガーを選択すると、下記のようにポップアップ画面が開きます。
左下の「作成を開始」ボタンをクリックして、作成を始めます。

ステップメール作成開始

2ステップメールの名前を変更する

まずは、作成するステップメールの名前をわかりやすいものに変更します。
画面上の「新しい購読者を歓迎します」と表示されている箇所をクリックすると、名前を編集することができます。

ステップメールの名前を変更する

ステップメールの名前を変更する

3トリガーを設定する

名前を変更したら、トリガーを設定します。
ステップの「トリガー」をクリックすると、ライトナビに「トリガー設定」が表示されます。この枠をクリックすると、「③リストを作成する」で作成した購読者のリストが表示されるので、配信したいリストを選択します。


トリガーを設定する

リストからトリガーを選択

4ディレイ(配信までの待ち時間)を設定する

トリガーに設定したリストに購読者を追加した時、追加からどれくらいの期間でメールを配信するかを設定します。
ステップの「ディレイ」をクリックすると、ライトナビに「設定」が表示されます。ここでリスト追加からの待ち時間を設定します。


ディレイ(配信までの待ち時間)を設定する

初期設定では「1分後」が設定されています。
リストに追加してすぐに配信する場合は、初期設定の「1分後」のままでOKです。

リスト追加から1分後に送信

待ち時間の単位について

待ち時間の設定の単位は、「分」「時間」「日」「週」の4つから選択できます。
購読者をリストに追加した日を起点として、こちらで配信する期間の設定を変えながら、ステップメールを複数作成していきます。

待ち時間の単位について

5配信メールの件名を設定する

配信するメールの内容を作成していきます。
ステップの「メールを送信」をクリックすると、ライトナビにメールの作成画面が表示されます。ここでは、配信するメールの「件名」「プリヘッダー」(受信トレイの件名の下に表示される文章)を設定します。

配信メールの件名を設定する

6メールの本文のテンプレートを選択する

メールの件名を入力したら、メールの本文を作成していきます。
プリヘッダー欄の下にある「メールのデザイン」ボタンをクリックします。

「メールのデザイン」ボタンをクリックする

メールのテンプレート選択画面に遷移します。
今回は「ようこそメール」のタブにある「ウェルカムメール: 空1カラム」のテンプレートをベースに作成を進めていきます。テンプレート内にある「選択」をクリックします。


メールの本文のテンプレートを選択する

7メールの本文を作成する

テンプレ―トを選択後、本文作成の画面に遷移します。
本文作成画面のライトナビのブロックを使用しながら、ステップメールの本文を作成します。
ドラッグ&ドロップでブロックを本文に追加できます。青いラインが表示された箇所へ追加されます。


ステップメールの本文を作成する

本文の削除方法

本文を作成するにあたり、選択したテンプレートの文章や画像等が既に挿入されています。真っ新な状態から作成したい場合には、カーソルを乗せると表示されるゴミ箱のアイコンをクリックして、内容を一旦削除することをおすすめします。

本文の削除方法

ライトナビのブロックの内容は下記の通りです。(プルダウンで開きます)

ライトナビのブロックの内容

コンテンツ

テキストや画像の挿入など、本文作成に欠かせないコンテンツブロックです。
各ブロックの内容は、下記のボタンからご確認ください。

テキスト
テキスト

テキストを挿入するブロックです。
ブロック内をクリックすると、テキストスタイルの変更メニューが表示されます。

テキストを挿入するブロック

画像
画像

画像を挿入するブロックです。
ブロックを挿入すると、画像選択画面に切り替わります。挿入したい画像を選択して、右下にある「Select Image」ボタンをクリックします。

画像を挿入するブロック

挿入後に画像をクリックすると、画像のリンクやテキストなどが編集できるレフトナビに切り替わります。

画像のレフトナビ

ボタン
ボタン

ボタンを挿入するブロックです。
ブロックを挿入すると、ボタンのリンクやテキストなどが編集できるレフトナビに切り替わります。

ボタンのレフトナビ

ディバイダ―
ディバイダ―

仕切り線を挿入するブロックです。
ブロックを挿入すると、仕切り線の色やスタイルなどが編集できるレフトナビに切り替わります。

ディバイダ―のレフトナビ

スペーサー
スペーサー

スペースを挿入するブロックです。
ブロックを挿入すると、空白のブロックにデフォルトで「40px」と表示されます。このpxを大きくしたり小さくしたりして、スペースの高さを調節します。

スペースを挿入するブロック

ソーシャル
ソーシャル

ソーシャルボタン(SNS)を挿入するブロックです。
デフォルトでは「フェイスブック」「ツイッター」の設定ができます。
ブロックを挿入すると、各SNSのアドレスやスタイルなどを編集できるレフトナビに切り替わります。

ソーシャルのレフトナビ

フェイスブック・ツイッター以外のSNSを表示させたい場合には、レフトナビ内にある「別のソーシャルネットワークを追加する」ボタンをクリックして、カスタムで追加します。

投稿
投稿

投稿の内容を挿入するブロックです。
ブロックを挿入すると、メルマガに記載する投稿を選択するレフトナビに切り替わります。

投稿のレフトナビ

自動最新
コンテンツ
自動最新コンテンツ

最新の投稿を自動挿入するブロックです。
ブロックを挿入すると、表示させる投稿数等が選択できるレフトナビに切り替わります。

自動最新コンテンツのレフトナビ

ヘッダ
ヘッダ

メルマガのヘッダー部分を挿入するブロックです。
テキストが挿入できますが、できるスタイル変更等は限られています。
ブロックを選択して表示される歯車のマークをクリックすると、テキストに関する設定ができるレフトナビに切り替わります。

ヘッダのレフトナビ

フッタ
フッタ

メルマガのフッター部分を挿入するブロックです。
テキストが挿入できますが、できるスタイル変更等は限られています。
ブロックを選択して表示される歯車のマークをクリックすると、テキストに関する設定ができるレフトナビに切り替わります。

フッタのレフトナビ

ステップメールのレイアウトを5パターンの列ブロックから選択できます。
既存のブロックを削除した場合には、まずは列ブロックから選択します。

列

スタイル

ステップメールのテキストスタイルを変更することができます。
テキストや見出しのサイズや、リンクの色等変更が可能です。

スタイル

8メールの内容を確認して保存する

メール本文の作成ができたら、メールの内容を確認して保存します。
まずはページ左上にある「Preview」の文字をクリックして、作成したメールのプレビューを確認します。

ステップメールの内容を確認する

メール画面を「デスクトップ」「モバイル」の表示で確認することができます。
「メールに送信」では、入力したメールアドレス宛にプレビュー画面が送信されます。実際のメーラー(メールソフト)で確認が可能です。

「メールに送信」

メール内容の確認ができたら、Preview横の「Save and continue」ボタンをクリックすると、作成内容が保存されます。

ステップメールの内容を保存する

保存が完了すると、自動的にステップ作成の画面に戻ります。

9ステップメールを有効化する

全ての設定・作成が完了したら、ステップメールを有効化します。
画面右上にある「有効にする」ボタンをクリックします。確認で再度ボタンが表示されるため、もう一度「有効にする」をクリックします。


ステップメールを有効化する

有効化されると、ステップメールの名前の横にある表示が「ドラフト」から「アクティブ」に変更されます。これで有効化は完了です。

ステータスがアクティブに変更

10繰り返しステップメールを作成する

自動化の一覧を開くと、作成したステップメールが一覧に追加されています。
複数のステップを作成する場合は、右上の「新しい自動化」をクリックして、再度1~9の工程を繰り返し行います。


繰り返しステップメールを作成する

購読者を登録する

ステップメールの作成と仕組みの構築ができたら、次は購読者を登録していきます。
購読者の登録には「手動」「自動」の2種類があります。
下記ページから方法を参照して、購読者を登録していきましょう。

購読者を手動で登録する

手動登録は、購読者の情報を1つずつ入力して登録する方法です。

設定については下記ページにてご説明しています。下記ボタンよりご覧ください。

購読者を自動で登録する

自動登録は、ステップメールの購読登録用に作成したフォームに入力・送信いただいた内容が自動的に登録される方法です。

設定については下記ページにてご説明しています。下記ボタンよりご覧ください。

購読者の情報エリアの追加方法

購読者の情報として登録できる内容は、初期のままだと「メールアドレス」「名前」のみとなります。例えば電話番号や性別、年齢など別の項目を増やしたい場合には、カスタムフィールドを作成して追加することが可能です。

「電話番号」エリアを追加した場合の購読者情報画面
「電話番号」エリアを追加した場合の購読者情報画面

設定については下記ページにてご説明しています。下記ボタンよりご覧ください。

ステップメール構築の注意点

MailPoetのステップメール作成・仕組みの構築の手順を上記で説明してきました。
最後に、ステップメールを構築するにあたって作業の順序に注意していただきたい点をお伝えします。

⑤ステップメールを作成する」項目でステップメールを作成する際に、3.トリガーを設定する項目があります。
下記の表示にもあるように、購読開始の起点は設定したリストに購読者の登録があった場合が基本となります。

トリガー設定の画面
トリガー設定の画面

そのため、購読者を登録してからステップメールを作成してしまうと、購読申込みという起点が作動しないため、ステップメールは配信されません。
ステップメールを構築する際には、ステップメールを作成してから購読者を登録するという順序を必ず守って構築をするようにしてください。

ステップメールが正常に作動する流れ

ステップメールが正常に作動する流れ

ステップメールが作動しない流れ

ステップメールが作動しない流れ