バックアップ関連
WordPressデータの
手動バックアップ
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Welcartを用いてネットショップを構築したサイトに限らず、WordPressを用いたサイト共通の課題の一つが「サイトのバックアップ/リストア」です。

CMSはサーバー上のデータベースとデータファイルで構成されていますので、データをバックアップするにしても、その両方に対して行う必要があります。
サーバー上のファイルであれば、FFFTPなどのファイル転送プログラムを用いることで、データのバックアップもリストアも容易にできますが、データベースはサーバー上のファイルとの連携も含めてバックアップ/リストアをしなくてはサイトの復元が困難になります。

それらを考えると、まるごとバックアップ/リストアができる、WordPressプラグイン「UpdraftPlus」などを用いることが便利であり、「プラグイン「UpdraftPlus」を使用したバックアップと復元方法」のページで設定方法等をご説明しました。

ところが、プラグインでは上手くいかないことも起こります。
バックアップしたデータをリストアしても、データが欠けていてうまく復元できないことが起こったりします。
そんな時は、手動でバックアップ/リストアを行わなくてはいけなくなります。

データベースのバックアップ/リストアは、サーバーによって方法が異なります。
このページでは、イマジンがお薦めしている「XSERVER」での方法に限ってお伝えしていきます。
他のサーバーでも、サーバー管理パネルに「MySQLバックアップ」があれば、ほぼ同じようなやり方ができると思いますので参考にしてください。

それでは解説していきますね。

手動バックアップには、サーバーは「Xserver」を使用していること、またFTPソフト「FFFTP」を使用して行うことを前提にバックアップ方法をご説明をしています。
「FFFTP」のダウンロードや設定、使い方の詳しい内容は、下記ページにてご説明しています。

このコンテンツを読んでできること
  • WordPressのデータ内容について詳しく知ることができる
  • WordPressデータの手動バックアップ方法がわかる
  • WordPressデータの手動での復元方法がわかる
このコンテンツを書いた人
齋藤秀峰
ネット通販ビジネス
トータルアドバイザー齋藤秀峰SAITO SHUHO

2009年に自社ブランドのネットショップをオープン。2017年にWordPressのWelcartへショップを移転。その経験を元に、多くのネットショップをWelcartにて新規構築。現在もWelcartの運営を行いながら、日々研究を繰り返しています。

WordPressのデータ内容について

ローカル環境へデータをバックアップする前に、まずはWordPressのデータの仕組みを知っておく必要があります。
WordPressのデータは、下記の2つに大きく分けられます。

データファイル

テーマやプラグインのPHP・CSSファイルや、画像等のデータのことを指します。
FTPソフトを使用してサーバーへ接続し、ダウンロードしてバックアップを行います。

データベース

記事投稿や固定ページ・管理画面の設定等のデータのことを指します。
XSERVERのサーバーパネルへログインし、管理画面からバックアップを行います。

上記2つのデータをバックアップしておくことで、サイトにトラブルが生じた場合でもすぐ復元することが可能です。

それぞれのバックアップ方法について、下記から詳しくご説明します。

FFFTPで「データファイル」をバックアップする

テーマやプラグインのPHP・CSSファイルや、画像等のデータである「データファイル」をバックアップする方法をご説明します。
データファイルのバックアップは、FTPソフト「FFFTP」を使用して行います。

「FFFTP」のダウンロードや設定、使い方の詳しい内容は、下記ページにてご説明しています。

1FFFTPソフトでサーバーに接続する

FFFTPソフトを立ち上げ、ホストの接続をします。

FFFTPソフトでサーバーに接続する

データの格納フォルダについて

WordPressインストール時に①サイトURLの設定でフォルダ名を入力した場合は、入力したフォルダが表示され、そのフォルダ内にWordPressのデータファイルが格納されています。(上記画像の場合だと「wp-sweets」内)
フォルダを設定した場合、フォルダをクリックするとWordPressのデータファイルを開くことができます。

WordPressのデータファイル

フォルダを設定していない場合には、ホスト接続時にすぐWordPressのデータファイルが表示されます。

2ローカルにフォルダを作成する

ローカル側にデータをまとめておくためのフォルダを作ります。「フォルダ作成」のアイコンをクリックします。

ローカルにフォルダを作成する

3フォルダ名を入力する

フォルダ名を入力し、「OK」をクリックします。ご自身でわかりやすい名前を入力してください。

フォルダ名を入力する

この時、「フォルダ作成(ローカル)」になっていることを確認してください。ここが(ホスト)になっていると、サーバー上にフォルダを作成してしまいます。もし(ホスト)になっている場合は、一度作成をキャンセルして、ローカルエリアをクリックしてから作成アイコンをクリックしてください。

4作成したフォルダを開く

作成したフォルダをクリックしてフォルダを開きます。このフォルダの中に、WordPressのデータファイルをダウンロードします。

作成したフォルダを開く

作成したフォルダを開く

2データファイルをダウンロードする

リモート側に表示されている全てのファイルをダウンロードしてバックアップを取っていきます。
全て選択して一度にダウンロードしても構いませんが、完了までに数時間かかる場合がありますので、フォルダごとなど少しずつ分けながらダウンロードすることをおすすめします。

データファイルをダウンロードする

リモート側を全てダウンロードし、ローカル側がリモート側と同じ表示になれば完了です。(「wp-admin」「wp-content」「wp-includes」フォルダの中もそれぞれ同じです。)

データファイルをダウンロードする

フォルダ名のおすすめ

バックアップを定期的に行う場合、最初にダウンロードしたデータに上書きするのではなく、別名のフォルダを作成して分けておくことをおすすめします。トラブル内容によっては、直近でバックアップしたものが一番新しいものとは限らない可能性があるためです。
別日にバックアップを取る場合には、フォルダ名にバックアップを取る日付を入れておくことをおすすめします。フォルダを分けることができ、日付も一目でわかります。

フォルダ名のおすすめ

手動でバックアップしたデータファイルを復元する方法は、④手動で復元を行う方法の「データファイルの復元」でお伝えします。

サーバーパネルから「データベース」をバックアップする

記事投稿や固定ページ・管理画面の設定等のデータである「データベース」をバックアップする方法をご説明します。
データベースのバックアップは、XSERVERのサーバーパネルへログインし、管理画面からバックアップを行います。

1Xserverのサーバーパネルへログインする

Xserverのサーバーパネルへログインします。
「設定対象ドメイン」がしっかり設定されていることを確認してください。

設定対象ドメインを選択する 引用:Xserver

2バックアップするデータベース名を確認する

サーバーパネル「WordPress」「WordPress簡単インストール」を開き、バックアップするデータベースの名前を確認します。

バックアップするデータベース名を確認する 引用:Xserver

「インストール済みWordPress一覧」から、「MySQLデータベース名」に表示されているデータベース名を確認します。

バックアップするデータベース名を確認する 引用:Xserver

3MySQLバックアップを開く

サーバーパネル「データベース」「MySQLバックアップ」をクリックし、バックアップメニューを開きます。3つタブが並んでいますが、一番右の「現在のMy SQLをダウンロード」タブを開きます。

MySQLバックアップを開く 引用:Xserver

MySQLバックアップを開く 引用:Xserver

4データベースをダウンロードする

2で確認したデータベース名の「ダウンロード実行」ボタンをクリックすると、自動的にダウンロードが完了します。

データベースをダウンロードする 引用:Xserver

ローカルのダウンロードフォルダ ローカルのダウンロードフォルダ

手動でバックアップしたデータベースを復元する方法は、④手動で復元を行う方法の「データベースの復元」でお伝えします。

手動で復元を行う方法

万が一サイトにトラブルが起きた場合、不具合を修正する必要があります。サイトを以前の状態に戻す場合には、バックアップしたデータを復元しなくてはいけません。
「データファイル」「データベース」、それぞれの復元方法は下記の通りです。

データファイルの復元

FFFTPを使用してバックアップした「データファイル」を復元する場合には、バックアップ時と同様にFFFTPを使用します。
ローカルから復元したいファイル/フォルダを選択して、アップロードを行います。(一旦リモート側のデータを削除してからアップロードしてもいいです)

データファイルの復元

データベースの復元

Xserverのサーバーパネルからダウンロードした「データベース」を復元する場合には、バックアップ時と同様にXserverのサーバーパネルから「phpmyadmin」へログインし、そこで復元作業を行います。

自動バックアップからの復元も可能

Xserverでは、データベースのバックアップが「14日分」であれば自動で行われています。14日前までのデータベースに復元する場合であれば、サーバーパネル「データベース」「My SQL復元」を開くと、自動バックアップされた日付を選択して簡単に復元をすることが可能です。

自動バックアップからの復元も可能 引用:Xserver

ダウンロードしたデータベースを、phpmyadminから復元する方法は下記の通りです。

1「phpmyadmin」を開く

Xserverのサーバーパネル「データベース」「phpmyadmin」をクリックします。(バックアップした際のメニューの一番下にあります)

「phpmyadmin」を開く

2「phpmyadmin」にログインする

ユーザー名とパスワードを入力して、phpmyadminにログインします。

「phpmyadmin」にログインする

ユーザー名とパスワードを忘れた場合

MySQLのユーザー名とパスワードは大切な情報のため、WordPressをインストールした時に控えているかとは思いますが、万が一情報を紛失してしまった場合には、サーバーパネルから確認することができます。

サーバーパネル「WordPress」「WordPress簡単インストール」を開きます。

「WordPress簡単インストール」を開く 引用:Xserver

「インストール済みWordPress一覧」から、ログインしたいMySQLのデータベース名を確認し、その下に記載されている「MySQLユーザー名」「MySQLパスワード」(目のアイコンをクリックすると表示されます)から確認します。

ユーザー名とパスワードを忘れた場合 引用:Xserver

3復元したいデータベース名をクリックする

phpmyadminにログインしたら、レフトナビに表示されているMySQLデータベース名をクリックします。

復元したいデータベース名をクリックする

データベース内の構造一覧が開きます。

データベース内の構造一覧

4データベース内を一旦削除する

データベースを復元する場合、上書きができないため、既にデータが存在していると復元することができません。そのため、一旦データベース内を削除する必要があります。
構造一覧の下にある「すべてチェックする」にチェックを入れます。

データベース内を一旦削除する

チェックを入れたら、右にあるプルダウンから「削除」を選択します。

データベース内を一旦削除する

実行確認が出るので、「はい」をクリックします。

データベース内を一旦削除する

データベースが削除されました。下記はデータベースが空になった状態です。

データベース内を一旦削除する

5データベースのインポートを開く

MySQLデータベース名を選択している状態で、「インポート」タブを開きます。

データベースのインポートを開く

6インポートファイルを選択する

インポートするファイルから「参照」をクリックして、ダウンロードしてあるバックアップデータをローカルから選択します。

インポートファイルを選択する

インポートファイルを選択する

7インポートを実行する

データベースファイルを選択したら、ページ下部にある「実行」ボタンをクリックします。

インポートを実行する

8復元完了を確認する

インポート(復元)が正常に完了すると、下記のような画面に遷移します。

復元完了を確認する

これで復元が完了です。「構造」タブを開き、データベースが復元できているかどうかを確認してください。