Welcart関連
Welcart Carinaで
縦長商品ページにする準備
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難易度:

ネットショップビジネスで継続的な収益を向上させたい!
最終的にはここを目指してショップ構築を進めています。

継続的な収益向上の一つの手段として、「商品価値を丁寧に伝える」というものがあります。
価格は高めでも、商品価値を丁寧にお伝えして、「価格<価値」を作り上げる方法です。

その為には、伝える順番が大事です。
価値が高まる内容を先にお伝えして、その後で価格をお伝えするということ。
価値を感じてもらう前に、価格を伝えてしまっては、説明を読んでもらえません。

これを実現するページを「縦長商品ページ」と呼んでいます。
縦長商品ページで、価値の後に価格を伝えることで、商品購入に繋がる確率は上がることでしょう。

Welcart/Carinaの商品ページは、商品詳細(説明エリア)が、価格やカートの後にあります。
レビューとのタブで表示する形になっています。
これでは先に価格を見てしまい、価値を伝えようとしても効果を得られません。

商品ページを構築しているファイルのカスタマイズが必要ですね。

このページでは、Welcart/Carinaを縦長商品ページにカスタマイズする方法を解説していきます。
ファイルのコードを変更する形ではありますが、しっかり手順通りに行えばできる内容になっています。
では、早速始めて行きましょう。

ここではWelcartの子テーマ「Welcart Carina」をインストール・有効化・設定を行っていることを前提に、商品ページのカスタマイズについてご説明しています。設定がまだの方は、まずは下記ページを参照しながらテーマのインストール・有効化を行ってください。

また、先に商品登録を済ませてからカスタマイズをする方が、商品ページを確認することができるためおすすめです。まだ商品登録を済ませていない方は、まずは下記ページを参照しながら商品登録を行ってください。

このコンテンツを読んでできること
  • 縦長商品ページにするメリットがわかる
  • Welcartの商品ページを形成しているPHPについて理解できる
  • Welcartの商品ページを縦長商品ページにできる
このコンテンツを書いた人
齋藤秀峰
ネット通販ビジネス
トータルアドバイザー齋藤秀峰SAITO SHUHO

2009年に自社ブランドのネットショップをオープン。2017年にWordPressのWelcartへショップを移転。その経験を元に、多くのネットショップをWelcartにて新規構築。現在もWelcartの運営を行いながら、日々研究を繰り返しています。

通常表示状態とカスタマイズ後の比較

「縦長商品ページ」へのカスタマイズをする前に、実際どのようなページの表示になれば「縦長商品ページ」となるのかを理解しておくことが大切です。
最初に、テーマ「Welcart Carina」を使用した通常の商品ページの表示をご説明します。

まずは、商品ページの構成を大きく分けて3分割します。

①商品ページの「ページタイトル」
②商品画像やSKU情報、カートボタンなどの「カートボタンエリア」
③商品についての詳細を記載する「商品詳細」

通常の商品ページは、「①ページタイトル」→「②カートボタンエリア」→「③商品詳細」の順で表示されます。

通常の商品ページ表示状態 通常の商品ページ表示状態

縦長商品ページは、「①ページタイトル」→「③商品詳細」→「②カートボタンエリア」の順で表示をする商品ページです。

縦長商品ページへのカスタマイズ後 縦長商品ページへのカスタマイズ後

カスタマイズによるレビュー機能の停止とおすすめ

テーマ「Welcart Carina」の通常の商品ページでは、「③商品詳細」をタブで切り替えられる仕様になっています。

商品詳細タブ

初期状態では「商品詳細」のタブのみですが、設定を行うと「レビュー」のタブを追加することができます。

レビュータブ

しかし、縦長商品ページへカスタマイズすると、タブ自体を消去してしまうため、設定を行っていてもレビューのタブを出すことができなくなります。
そのため、Welcartのレビュー機能を使用することができなくなることに注意してください。

YOTPO(ヨットポ)とは

YOTPO(ヨットポ)は、お客様のストレスを最小限にレビューをいただくことができる、レビューのシステムツールです。商品を購入いただいたお客様へ、後日自動的にレビューのリクエストメールが送信される仕組みで、高いレビュー収集率を誇っています。無料・有料とプランがありますが、無料プランでも十分高機能で使うことが可能です。

YOTPO日本公式サイト 引用:YOTPO日本公式サイト

PHPファイルの編集方法

縦長商品ページへのカスタマイズは、PHPファイルを編集して行います。編集を行う方法は、下記の3つです。ご自身に合わせた方法を選択してください。

1.Xserverから編集する

Xserverへログインし、サーバーの「ファイル管理」から「ファイルマネージャ」を開き、PHPファイルを編集する方法です。

Xserverマイページのトップページ画面 Xserverマイページのトップページ画面 引用:Xserver

FTPに接続しなくても、ファイルの編集から新規追加・アップロード等が可能です。Xserverを契約していて、容易にファイルの編集を行いたい方にはおすすめです。

2.WordPress管理画面から編集する

WordPress管理画面の「外観」→「テーマエディター」を開き、PHPファイルを編集する方法です。

WordPressのテーマエディター画面 WordPressのテーマエディター画面

テーマフォルダ内の編集を容易に行うことができます。テーマフォルダ外の編集やファイルのアップロード等はできませんが、今回行うのはテーマフォルダ内の編集となるため使用可能です。
使用する際には、右上の「編集するテーマを選択」の箇所で、使用中の子テーマ(今回は「Welcart Carina」)を選択していることを確認してください。

ファイルを更新したときに、「致命的なエラーをチェックするためにサイトと通信できないため、PHP の変更は取り消されました。」など、エラーが表示される可能性があります。その場合は、別の方法でファイルを編集するか、エラーを検索して調べてみてください。

3.ローカルで編集してFFFTPでアップロードする

ダウンロードしたPHPファイルをローカルで編集し、FFFTPを使用してアップロードする方法です。

FFFTPの接続画面 FFFTPの接続画面

編集を円滑に行うために、バックアップも兼ねて全てのファイルをダウンロードしておくことをおすすめします。

FFFTPへの接続方法や詳しい使い方などは、下記のページで詳しくご説明しています。

ローカルでの編集は、メモ帳などのソフトを使用して行うことも可能ですが、編集がわかりやすくできるコードエディターを使用することをおすすめします。

おすすめのコードエディター

イマジンでは、無料で使えるコードエディター「Visual Studio Code」をおすすめしています。

Visual Studio Code公式サイト 引用:Visual Studio Code公式サイト

縦長商品ページへのカスタマイズ方法

それでは実際にPHPファイルを編集して、縦長商品ページへのカスタマイズをしていきます。

編集するPHPファイルは、Welcart Carinaのテーマフォルダにある「wc_templates」フォルダ内の「wc_item_single.php」です。「wc_item_single.php」とは、Welcartの通常商品ページを構成しているPHPファイルです。
ファイルへのルートは
「wp-content > themes > welcart_basic-carina > wc_templates > wc_item_single.php」となります。

wc_item_single.phpまでのルート

プラグイン「SKUセレクト」を使用した商品ページの構成は、別のPHPファイルでおこなっています。SKUセレクトを使用した場合の商品ページのカスタマイズ方法は、下記の「⑤【SKUセレクト】縦長商品ページへのカスタマイズ方法」でご説明します。

1「wc_item_single.php」の編集画面を開く

上記「③PHPファイルの編集方法」のいずれかの方法を使って、「wc_item_single.php」ファイルを開き、編集を行えるようにします。

「wc_item_single.php」の編集画面を開く

2商品詳細の表示コードをコピーする

まずは「wc_item_single.php」の161行目辺りにある下記のコードを探します。このコードが、商品詳細を表示している部分になります。
こちらのコードの<div class="item-description tab-box">~</div>までをコピーしておきます。

<div class="item-description tab-box">
  <?php the_content(); ?>
</div>

商品詳細の表示コードをコピーする

3商品詳細の表示コードを貼り付ける

「wc_item_single.php」36行目辺りにある<div id="itempage">のコードを探します。
このコードから改行し、新しく次の行に先程コピーした<div class="item-description tab-box">~</div>のコードを貼り付けます。

商品詳細の表示コードを貼り付ける

商品詳細の表示コードを貼り付ける

4タブの表示コードを削除する

「wc_item_single.php」154行目辺りにある<div id="tab">~</div>のコードを探します。このコードは、商品詳細のタブ部分になります。
このコードを選択して削除します。

タブの表示コードを削除する

タブの表示コードを削除する

5不要なclass名を削除する

4の<div id="tab">~</div>のコードを削除すると、3で移動させた商品詳細を表示するコードにシステムで自動的に「display:none;」のCSSが効いてしまい、商品ページを見ても商品詳細部分が表示されなくなってしまいます。
商品詳細部分を表示するために、3で貼り付けた37行目辺りの下記のコードから、class名「tab-box」を削除します。

<div class="item-description tab-box">

<div class="item-description">

不要なclass名を削除する

6商品ページを表示して確認する

カスタマイズ内容を保存(ファイルをアップロード等)したら、実際の商品ページを開いて変更を確認します。「ページタイトル」→「商品詳細」→「カートボタンエリア」の順に表示がされていれば、縦長商品ページとしてのカスタマイズは完了です。

商品ページを表示して確認する

【SKUセレクト】縦長商品ページへのカスタマイズ方法

プラグイン「SKUセレクト」を使用している商品ページを、縦長商品ページへカスタマイズする方法をご説明します。
SKUセレクトを使用している場合のカスタマイズの内容は、編集するPHPファイルが異なること以外は、「wc_item_single.php」と同様になります。

「SKUセレクト」について詳しくは下記ページをご参照ください。

SKUセレクトを使用している商品の場合、編集するPHPファイルは「wc_item_single.php」と同様フォルダ内の「wc_sku_select.php」となります。「wc_sku_select.php」とは、WelcartでSKUセレクトを使用した場合の商品ページを構成しているPHPファイルです。
ファイルへのルートは
「wp-content>themes>welcart_basic-carina>wc_templates>wc_sku_select.php」となります。

wc_sku_select.phpまでのルート

この「wc_sku_select.php」を、④縦長商品ページへのカスタマイズ方法でご説明した「wc_item_single.php」と同様にカスタマイズをします。
カスタマイズ内容は同様ですが、「wc_item_single.php」とは記載されているコードの行数が異なります。コードの行数を確認しながらカスタマイズを行いたい場合は、下記ボタンをクリックしてください。

1「wc_sku_select.php」の編集画面を開く

上記「③PHPファイルの編集方法」のいずれかの方法を使って、「wc_sku_select.php」ファイルを開き、編集を行えるようにします。

「wc_sku_select.php」の編集画面を開く

2商品詳細の表示コードをコピーする

まずは「wc_sku_select.php」144行目辺りにある下記のコードを探します。このコードが、商品詳細を表示している部分になります。
こちらのコードの<div class="item-description tab-box">~</div>までをコピーしておきます。

<div class="item-description tab-box">
  <?php the_content(); ?>
</div>

商品詳細の表示コードをコピーする

3商品詳細の表示コードを貼り付ける

「wc_sku_select.php」26行目辺りにある<div id="itempage">のコードを探します。
このコードから改行し、新しく次の行に先程コピーした<div class="item-description tab-box">~</div>のコードを貼り付けます。

商品詳細の表示コードを貼り付ける

商品詳細の表示コードを貼り付ける

4タブの表示コードを削除する

「wc_sku_select.php」137行目辺りにある<div id="tab">~</div>のコードを探します。このコードは、商品詳細のタブ部分になります。
このコードを選択して削除します。

タブの表示コードを削除する

タブの表示コードを削除する

5不要なclass名を削除する

4の<div id="tab">~</div>のコードを削除すると、3で移動させた商品詳細を表示するコードにシステムで自動的に「display:none;」のCSSが効いてしまい、商品ページを見ても商品詳細部分が表示されなくなってしまいます。
商品詳細部分を表示するために、3で貼り付けた27行目辺りの下記のコードから、class名「tab-box」を削除します。

<div class=”item-description tab-box“>

<div class=”item-description“>

不要なclass名を削除する

6商品ページを表示して確認する

カスタマイズ内容を保存(ファイルをアップロード等)したら、実際の商品ページを開いて変更を確認します。「ページタイトル」→「商品詳細」→「カートボタンエリア」の順に表示がされていれば、縦長商品ページとしてのカスタマイズは完了です。

商品ページを表示して確認する