学びは悪魔にも天使にもなる

学びは悪にも天使にもなる

「もっと他にないんですか?」
いつも温厚で丁寧な言い回しのNさんが、突然、鬼の形相になった。

彼はショッピングモールに出店してビジネスをしているが、ここ一年ぐらいは売上が伸び悩んでいる。
「商品画像も変えたし、広告バナーも変えたりして、ありとあらゆることを取り組んできましたよね? 今は結果に結びついていないですけど、方向性は間違いないと……」

同じネットショップでも、自社ドメインショップとモール内店舗では売上を改善する方法が違う。

その当時の事業内容は、ウェブサイトの制作もすればコンサルもするし、コーポレートサイトにも対応すればネットショップもするという、飲食店で例えると「大衆食堂」状態になっていたのだ。
広く浅い知識しか持っていなく、ある程度まで行くとその先が無い。

これではいけないと、色んな学びを広げた。

専門分野ではサイト制作やデザインの知識、ウェブマーケティングやブランド戦略。
専門以外では、各種心理学やコーチング、自己啓発やプレゼンテーションにいたる。
ネットで毎日何回も検索をし情報を手に入れ、良さそうなセミナーがあればできる限り参加した。
学びの仲間もどんどん増え、
「今度、世界的に有名な○○さんのセミナーが東京であるけど、一緒に行かないかい?」
「おおぅ、それは行かなきゃ。今からワクワクするね!」
こんな調子で知識の習得に走り続けた。

ところがそんなある日、大きな違和感を感じることになる。
「知識は増えたかもしれないけど、何も変わってない!」
変な汗が全身から溢れ出た。
知識を増やせば増やすほど、出来ない自分が明確になっていることに気づいた。
もっと知識を増やさなきゃと思い、時間もお金もかけて学んできたけれど、そこで手に入れた知識が自分を押しつぶそうとしている。
もしかしたら、学ばない方が良かったのでは? そんな疑問まで持つようになった。

僕は思い切って、一切の学びを止めた。

浅い学びによって、自分を見失っていたからだ。
「僕は何者なんだ?」
「どこを目指しているんだ?」
「何で役に立とうとしているんだ?」
この答えを出すのにかなりの時間を費やした。
偶然にも、僕を苦しめていた学びの中に、これを解くカギを手に入れていたことに気付く。

僕の最悪の思い込み。
それは、「生まれてくる時に使命を持ってきたはず。それは何なのか? どうすればそれを見つけられるのか?」ということ。
「答えがあるはずだから、それを探さなきゃ!」という思考。
これが邪魔をしていた。

本気で情熱を傾けられるものがあるのであれば、迷わずそこへ進めばいい。

知識としては知っていたが、思い込みという悪魔が「本当にそれで良いの?」とささやきつづけ、信念が揺らいでしまっていた。

「答えなんか無い! 楽しくて好きな道を進めばいい!」
時間はかかったが、ようやくそこに辿り着けた。

誰もが夢を持ち、追いかけることができる社会をつくりたい。
その為に、ネットショップでビジネスをする人を成功させる。
これに向かって進むと決めた。

学びを再開することにした。

でも以前とは全く違う天使の学びに変わった。
手当たり次第で学ぶのではなく、どのあたりに役立ちそうかを見極めて選択している。
知識だけを得ることは極力避け、スキルになる出来る様になるものにする。
ちょっとした違いに見えるけど、天と地ほど違うと実感できた。

更に自分の専門分野をオリジナルプログラムとしてまとめ上げることもした。
自社ドメインショップを使って、利益を増やし続けるためのプログラム。
これを作ったことで更に学びが変化した。
オリジナルプログラムを使って、クライアントを成功させるために必要な学びが見えだす。
学びの他にも、どんな協力者が必要かも明確になってくる。これも大きい。

学ぶことはとても大切、それは変わらない。
ただ、学びが自分を苦しめることもある。
なぜなら学んだことが全てできるようにはならないから。
知識をスキルにするには量稽古が必要だから。
その為にも自分の進む方向を決めることがとても大事。
自分の進む方向が決まれば、そこに必要なことだけを出来る様にしていける。

クライアントの成功のために、僕もまだまだ学び続けていく。

理想は棺桶に入るまで!

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