ビジネスバーべQ vol.9

みなさんこんにちは、イマジンポケットスタッフの大石です。
今回は、12月3日(木)に配信された、第九回ビジネスバーべQについてご紹介します。

今回の食材(テーマ)は、「カゴメのファン作りの極意は」です。
カゴメさんというと、ケチャップや野菜ジュースなどでおなじみの、食料・飲料の大手メーカーですね。

個人的に「カゴメ」と聞くと、いろんな商品がある中でなぜか不思議と「トマト」のイメージが強いなと思ったので、ウィキペディアで少し調べてみました。
カゴメさんの始まりは「トマトの栽培」で、トマトソースの製造から後にケチャップ・ウスターソース製造に成功して、業績を上げていったそうです。
その後、トマトジュースを国内で初めて発売し、今でも私たちの生活に根付く商品になっています。
トマトのイメージが強い理由が明確になりましたね。

調べているうちに、気になる文章を発見しました。
カゴメさんは、株主を大事にする企業としても知られており、個人株主のことを「ファン株主」と呼んでいるんだそうです。
さて、ここから今回のバーべQの食材とつながりますが、木幡さんも冒頭でカゴメさんのファン作りへの経緯を話してくれています。

なんとカゴメさんの2014年の統計では、わずか2.5%のお客様が、全体の売上の30%を作ってくれていたんだそうです。
しかしその翌年、発売した野菜のミックス飲料系が大きく落ち込んだそうですが、原因は昔からのファンが離脱したことだったそうです。
根強くリピートしてくれていたファンに、受け入れられなかった商品ということなのでしょうか?
その後、有名キャラクターとのコラボレーション企画を打ち出し、成功して売上は瞬間的には戻ったそうですが、長期的に考えるとあまりいい策にはならず、担当者の悩みは消えなかったそうなのです。

そんな中で始めたのが「ファン作り」。
購入金額が高い人がヘビーユーザー、愛着があって他のブランドに乗り換えない人がロイヤルユーザー、そしてその2つが重なり合っている人が「ファン」。
ファンの定義を明確にしていくために、まずはロイヤルユーザーとヘビーユーザーを分けて考えていき、その経緯からコミュニティサイト「&KAGOME」が誕生したそうです。

今回のビジネスバーベQは、「&KAGOME」のコミュニティサイトの紹介から始まりました。
このサイトの大きな特徴は、会員が自分で編み出したレシピや情報などを投稿できるシステムになっていることです。
企業側からの一方的な情報提示ではなく、会員同士で楽しめる仕組みになっているんですね。
まさに、「ファンと共に作り上げるサイト」といった感じですね。
リアルなお客様の声が見られるので、リピートの促進にも繋がっているように見えます。

大手だからこそできる部分が大きいですが、中小企業はどう参考にしていったらいいでしょうか?

弊社齋藤は、作ることができても活性化させるのがそんな簡単な話ではないし、作るのにもすごく手間がかかるところだよね、と言います。
作ったけど終わっていく…そんな状態のものをいくつも見てきているんですね。
しかしこれからの時代は、手間をかけるようなところじゃないとファンは作れないんじゃないかと思う、と続けます。
AIのような血の通っていない会話が増えている中で、お客さんとの丁寧なコミュニケーションという手間のかかる部分を避けていると、どんどんお客さんがいなくなるような気がしている、とのことです。

コロナ禍の世の中になって、いろいろなお店が打撃を受けています。
でもそんな中でもうまくいっているお店があるのも事実です。
そういうお店は、お客さんとの密な関係を築いてきたお店であり、やはり最後は人と人との関係だよね、と話す佐治さん。

人との関係性を構築するというのは、プライベートでも経営面でも大事な部分なんですね。
関係性を築いていくのはたしかに手間がかかってしんどい部分ですが、そこを疎かにしていくと未来は見えなくなる、ということなんでしょうか。

さて、今回のテーマである「ファン作りの極意」の話題へ移ります。
そもそも、ファン客の数やファンの定義がわかっていない、定義がないという企業が多いそうです。
ただ単に、購入金額が多い人がファンとは限りません。
購入金額が多い人はVIP客と呼ばれ、優遇されることを目的としますが、新規客にとっては居心地が悪く納得もできないため、そこから広がりはしません。
逆にファン客というのは、優遇は求めず、支援を目的としてくれるために広がりをみせます。
VIP客か?ファン客か?その見極めが重要になってくる、と佐治さんは話します。

見極めの重要性はわかりましたが、さて肝心のファン作りですが、どこから始めていけばいいのでしょうか?

弊社の齋藤は、お客様の声にしっかりと耳を傾け、ショップのコンセプトやミッションとのバランスを見ながら改良、開発をしていくこと、と話します。
ヒントはお客様の声の中にある、ということだそうです。
そして佐治さんは、まずは自分がお客様を好きになること、だと話します。
そのためには、自分たちにとって好きなお客様を明確にすることが大切になるため、お客様を選ばないとダメなのだそう。

「お客様を選ぶ」なんて、なんだかタブーな印象がありますよね。
しかし佐治さんは、選ぶのは自分のためではなく「お客様のために選ぶんだよ」と続けました。
ファン同士のコミュニティが必要になっていきている今、そのファンとなってくれる人を慎重に選んでいくことが、コミュニティの発展にも繋がっていくんですね。

ファン作りの極意は、「お客様のためにお客様を選ぶ」こと。
いうことでまとまった、今回のビジネスバーベQでした!

さて、次回の配信は12月17日(木)を予定しています。
次回の食材(テーマ)は、「イタリアワイン通信講座の分析」とのことです。
どんな話になるのでしょうか?配信をお楽しみに!

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